てぃーだブログ › 愛こそはすべて › アルバム覚書 › 「ザ・ビートルズ」(下)

2017年02月07日

「ザ・ビートルズ」(下)

「ザ・ビートルズ」(下)

C面を続けよう。まだ10曲残っている。

④「エブリバディズ・ガット・サムシング・トゥ・ハイド・イクセプト・ミー・アンド・マイ・モンキー」
(1968年7月)☆☆
ビートルズ公式213曲中、最も長いタイトルである。
ジョンは彼の活動にどこまでも付いてくるヨーコをモンキーに置き換えて書いている。
ヘビーでハイテンション。ハンドベルがつんのめりそうな疾走感を醸し出している。良い曲だ。

⑤「セクシー・セディ」(1968年8月)☆☆
セクシー・セディとはビートルズが師事した瞑想家マハリシ・ヨギのこと。
ジョンがマハリシに失望してインドを出る時に書いた。

⑥「ヘルター・スケルター」(1968年9月)☆☆
ポールは7月のレコーディングではスローで大人しい演奏で始めたが、9月では騒々しいサウンドに変更して仕上げた。いくつかのテイクを編集して4分半にまとめたが、20分以上あるフルバージョンを聴いてみたいものだ。
ポールはリードギター、ジョンがベース、ジョージはサイドギターの様だが、諸説ある。

⑦「ロング・ロング・ロング」(1968年10月)☆
ジョージが神への信仰を歌っているが、曲として地味すぎる。

2枚組の最後、D面である。
①「レボリューション1」(1968年5月)☆☆
ビートルズの作品に「レボリューション」とつくのは3曲あるが、これは最初にレコーディングされたので「1」を付けた。
8月に発売されたシングルバージョンは、「1」のテンポが遅い点、ジョンが寝そべって歌ったので力強さに欠ける点を改訂して、軽快でヘビーなサウンドにした。ジョンは「1」がお気に入りだそうだが、私はシングルバージョンの方が好きだ。

②「ハニー・パイ」(1968年10月)☆
ポールの音楽指向が如何に広いかを示す作品だが、好きな曲ではない。
ジョージがベース、ジョンが間奏でジャズっぽいギターを弾いている。

③「サボイ・トラッフル」(1968年10月)☆☆
ジョージのソロ時代のサウンドの基になったような作品だが、今ひといき。

④「クライ・ベイビー・クライ」(1968年7月)☆☆
ジョンが雑誌の広告文を元に書いた佳作。当人は「つまらない曲」と言っているが、しっかりビートルズサウンドになっている。

⑤「レボリューション9」(1968年6月)
ジョンとヨーコの共作。「ナンバーナイン・・・」のアナウンスが耳に残るが、私はビートルズの曲とは認めたくない。

⑥「グッド・ナイト」(1968年7月)☆☆
ジョンが書きリンゴが歌っている。「ドゥ・ユー・ウォント・トゥ・ノウ・ア・シークレット」や「すてきなダンス」と同じパターンだ。オーケストラを入れ美しい旋律だが、ビートルズとしてどうだろうか。

「ザ・ビートルズ」各曲を紹介してきたが、「まとまりが無い」「各メンバーがバラバラ」などと当時の評価は芳しくなかった。
ジョージ・マーティンも「曲を厳選して1枚にまとめるべきだった」と言っている。
私はどちらかと言えば好きなアルバムだ。しかし「レボリューション9」のような曲が入り、オノ・ヨーコの影がちらつくこの不穏な空気は、ビートルズの終わりを如実に予言している。
ポールは最近「ビートルズ解散はヨーコのせいではない」とコメントしているが、私は信じない。私はビートルズの解散の原因の50%はヨーコにあると考えている。


同じカテゴリー(アルバム覚書)の記事

 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。