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2009年04月22日

私とビートルズ(27)映画「レット・イット・ビー」

私とビートルズ(27)映画「レット・イット・ビー」

大学の夏休みが終わり、郷里から東京の下宿に戻った私は、有楽町のスバル座
「レット・イット・ビー」を上映していることを知り、早速見に行った。

現在と違い当時の映画館は途中入場は自由だった。
私が席に着いたとき映画は既に始まっていた。

「アイブ・ガッタ・フィーリング」のリハーサル風景だが、何か様子が変だ。

ポールとジョージがギターのことで言い合っている。
ジョージの言葉が今でも忘れられない。「ボクは降りるよ」
(このセリフ、20年位後にテレビ放映された時には、別の訳になっていた)
ジョンもリンゴも黙って見守っているだけだ。
「レット・イット・ビー」のアルバムを発売した直後、とうとう彼らは解散してしまった。
衝撃のニュースの直後だっただけに、二人の衝突シーンに心が痛んだ。

私とビートルズ(27)映画「レット・イット・ビー」

でも映画はビートルズの演奏シーンがふんだんに挿入され、楽しいものだった。
孤軍奮闘のポール、ヨーコのことしか頭に無いジョン、お洒落なジョージ、ユーモラスで
暖かいリンゴ・・・。
LP「レット・イット・ビー」で色々なセリフが入っていた訳も分かった。
そして彼らの歴史に残る最高のパフォーマンス、アップル社屋上のライブ。

私とビートルズ(27)映画「レット・イット・ビー」
「ゲット・バック」 リードを弾くジョン

真冬の風が吹く屋上、ポール以外はコートを着ての演奏だ。
その伝説のライブは「ゲット・バック」で始まった。
それまでのイザコザや試行錯誤がウソのような奇跡とも思えるパフォーマンス。

リードギターはジョンだが、間奏のところでジョージを映すカメラワークがご愛嬌というか、
哀しい・・・。
お次は「ドント・レット・ミー・ダウン」。ジョン、ポール、ジョージのハーモニーが素晴らしい。
続いて「アイブ・ガッタ・フィーリング」。ジョージのリードがカッコいい。
昼下がりのオフィス街、アップル社周辺にどんどん人が集まってくる。

そしてビートルズ至高のライブパフォーマンス「ワン・アフター・909」。
デビュー以来、数え切れないほどのライブを行ってきたビートルズの、最高のナンバーが
ルーフトップの「ワン・アフター・909」だ。
ジョンとポールの息はピッタリ。一瞬、二人は嬉しそうに見つめ合う。
どれだけこの瞬間を見たかったことか・・・。
しかし、最高にキマッているジョージの間奏でカメラは又しても群集を追いかける。あかんべー
なぜノッてるジョージのプレイを映さないんだ!この映画、これだけは許せない。

私とビートルズ(27)映画「レット・イット・ビー」
「ワン・アフター・909」 気持ちよさそうに歌う二人

そして、「ディグ・ア・ポニー」。
レコードと歌詞が少し違うが、ジョンとジョージのギターワークはぴったりキマッている。

ラストは再び「ゲット・バック」。
警官が屋上に上がってきた。マル・エバンスがのらりくらりと対応する。
ギターの音が聞こえない。アンプが直ったと思ったらジョンのリードは調子っぱずれ。
なんとスリリングなパフォーマンス!
(最近の説では、この警官とのやりとりも予め打ち合わせがあったらしい)
演奏が終わり、ポールが「ありがとう、モー」、ジョンは「これで僕らの初めてのオーディションは
合格したかな?」
ジョンのイマイチのジョークに、マルをはじめスタッフが無理に笑い声をあげる。
この「ゲット・バック」が、不世出のバンド・ビートルズ最後のライブパフォーマンスだ。
感動的だ。今何年ぶりかでDVDを見直して、感涙を禁じ得ない。

私のビートルズへの最後の願い。それは映画「レット・イット・ビー」の正式DVD化だ。
それもスバル座のスクリーンで見たワイドな映像を、どうしても見たい。
現在出回っている海賊版DVDや、以前テレビ放映で見た画面の両側をカットした映像は、マイケル・R・ホック監督の著作権を侵害するもので、極めて不適切だ。
ライブ映像で、ジョージを入れればリンゴが見えず、リンゴを入れればジョージが隠れるというような現象は断固あってはならない。パンチ!


--そして映画の上映に合わせて、ビートルズ最後のシングル「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」が発売されたが、あまり盛り上がりを見せることなく、各メンバーのソロアルバムに関心が集まっていった。


・・・リアルタイムで綴ってきた「私とビートルズ」、ひとまず最終回とします。







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この記事へのコメント
「解散」はぴーやしさんにとって、ショックであったことが、映画をとおして感じました。

私がビートルズを聴くようになった頃、ちょうどウイングスの3枚組みライヴ・アルバム「オーバー・ザ・アメリカ」が出た時でした。

「私とビートルズ」最終回、悲しいです。
Posted by ヤンマ at 2009年04月22日 18:35
ヤンマさん、どうか悲しまないでください。

「ぴーやしのロンリーハート・クラブ」はこれからが本題です。
公式発表曲213曲を、様々な角度でコメントしていきます。
ご期待ください!
Posted by ぴーやしぴーやし at 2009年04月22日 21:48
この映画は16mmフィルムで撮影されていたということは、劇場でのワイド上映もまた、上下のトリミング映像ではないでしょうか?
当時のことや海賊のことは知りませんが、映画ファンの観点からみるとそう思えます。
ただタイタニックも上下カット上映して、ソフトには上下入ってますから、何がオリジナルかむずかしいですが。
Posted by ひぐっち at 2014年04月13日 21:38
ひぐっちさん、コメントありがとうございます。

LetItBeのDVDは、ヤフオクでの出品者のうたい文句に乗せられて、4枚もまがい物を買ってしまいました。
貴兄のご指摘を受けてアンソロジーのVHSやDVDなどを調べてみたのですが、かえって40年前見た映画映像の記憶が曖昧になってしまいました。自分は本当にワイド映像を見たのだろうかと・・・。
Posted by 丈二丈二 at 2014年04月21日 20:44
 
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